きみは死んでいる/その他短編

"セカンド・サマー・オブ・ラブ"はすぐそこ 運命なのか偶然なのかは分からないが、この芝居を見る直前にタランティーノの新作を見ていた僕は、あまりのシンクロ率の高さに驚かざるを得なかった。 映画、音楽、カルチャーと多分野における情報やオマージュをD…

Sugarless Girl / Capsule

ラフでカジュアルなファッション・ミュージック 中田ヤスタカは本当に天才なんじゃないかと思う。前作から9ヶ月という短いスパンでのリリース、更にはアイドルユニットPerfumeのプロデュースも手掛けているというのに、どの作品も一曲として捨て曲がなく、輝…

the bird & the bee / the birds & the bee

無邪気でグロい少女の迷宮 「レディオヘッド・ミーツ・カヒミ・カリィ」や「激甘のビョーク」なんて、簡単に言葉で言い表そうと思えばいくらでも出来るのに、そういう比喩に逃げたくない音だ。そもそもレディへとカヒミが融合したところで、お互いの個性を相…

MYTH TAKES / !!!

進化と深化のダンスミュージック 05年に突如としてリリースされたカヴァーシングル「Take Ecstasy With Me/Get Up」があまりにもシンプルな四つ打ちダンスビートだったので、「ああ、次回からはこういう路線にいくのかな」と少し寂しい思いをしていたが、ま…

Myths of the Near Future / KLAXONS

とにかくみんなで歌って踊って騒ごう騒ごう 大好きなKITSUNE関連アーティストという事で興味本位で聴いてはみたらヤバいくらいに脳髄を撃ち抜かれてしまい、ここ最近はiPodでヘビーローテンション中。久しぶりに音楽のレビューを書いてみようかと思い腰を上…

デジャヴ

もう少しで傑作になれたのに…。 「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのジェリー・ブラッカイマーがトニー・スコットと実に6度目のタッグを組んだサスペンス・ミステリー。始めて来た場所なのに何故か一度来た事があるような気がする錯覚「デジャヴ(既…

どろろ

映画よりも連続ドラマ向きな作品かも 手塚治虫原作の漫画「どろろ」を妻夫木聡・柴咲コウ主演で実写映画化。天下を取るという父・醍醐景光の野望のために身体の48カ所を魔物に奪われて生まれてきた主人公の百鬼丸。妖怪を一匹倒すごとに失った身体を一体取り…

武士の一分

芯の通った骨太な演出が見せる、ストレートな時代劇 ウォン・カーウァイ監督作の「2046」や「ハウルの動く城」への声優参加など、近年の木村拓哉の活動は明らかに「海外」を視野に入れていたと思われる。ここ10年ほどの間、日本中の注目を常に集め続けて来た…

DEATH NOTE the Last name

原作ファンにほど見てもらいたい衝撃のラスト 6月に公開され、「デスノート現象」を巻き起こした実写映画版の後編にして完結編。原作にはないオリジナル・キャラクターを登場させ、映画版ならではの醍醐味を見せてくれた前作は、映像やCGの安っぽさを差し引…

手紙

感情の交差が生み出す感動的な人間ドラマ 直木賞作家、東野圭吾の原作小説を山田孝之主演で映画化。自分を大学にやるために盗みに入り、その末に過って人を殺めてしまった兄。主人公は「殺人者の弟」というレッテルを貼られ、世間から差別され続ける人生を送…

涙そうそう

涙そうそうを聴かせるための壮大な前振り映画 BEGINが作曲、森山良子が作詞を手掛け、夏川りみのカヴァーで一躍世間に浸透した名曲「涙そうそう」をモチーフに制作されたのが本作。若くして亡くなった森山良子の兄を想って書かれたという詞になぞらえ、沖縄…

木更津キャッツアイ ワールドシリーズ

有終の美を飾る完結編 2002年にテレビシリーズで登場し、視聴率はそれほど良くなかったにも関わらず、熱狂的な支持者を生み出した「木更津キャッツアイ」。翌2003年には劇場映画版「木更津キャッツアイ 日本シリーズ」が公開され、後追いファンが続出するな…

レディ・イン・ザ・ウォーター

シャマランの奇妙な冒険 こう言うと決まって驚かれるのだが、僕はM・ナイト・シャマランの大ファンである。彼の作品はどんなにつまらなくても必ず見に行くし、DVDも全作品持っている。どうして好きなのかと問われれば、それははっきりとは答えられないのだが…

時をかける少女

間違いなくこの夏最高の映画 筒井康隆原作でこれまで何度も映像化されてきた「時をかける少女」を完全オリジナルでアニメ化したのが本作。メガホンを取ったのは「デジモンアドベンチャー」「ONE PIECE オマツリ男爵と秘密の島」などで高い評価を得てきた細田…

ハチミツとクローバー

パラレル・ワールドのハチクロ 羽海野チカ原作の漫画を実写化。登場する美大生5人全員が片思いという究極にプラトニックな設定を貫きながらも、「恋愛」を「コミュニケーション」のひとつとして捉える事で人と人の繋がりを見直し、そのすれ違い故に起こる青…

ゲド戦記

多くの課題を残した初監督作品 アーシュラ・K・ル=グウィンによって書かれ、「指輪物語」「ナルニア国物語」に並んで世界的に有名なファンタジー小説をスタジオ・ジブリがアニメ化。監督を務めるのは、宮崎駿監督の実子であり、これが初監督と成る宮崎吾朗。…

M:I:III

無難に面白いが、精彩を欠いている 60年代から70年代に大人気を誇った海外ドラマ「スパイ大作戦」の現代版リメイクの第3作目となるのが、本作「M:I:III(Mission Impossible 3)」。ブライアン・デ・パルマを監督に迎え、テレビシリーズのレトロな雰囲気を保ち…

DEATH NOTE(前編)

高望みしなければ、原作のファンも満足できる作り 名前を書けば、その人間を死に追いやることが出来る「デスノート」。死神が落としたそのノートを拾い、それで悪人を次々抹殺することで、悪のない新世界を作ろうとする退屈な天才・夜神月。彼はやがて「キラ…

嫌われ松子の一生

人生は短い目で見れば悲劇だが、長い目で見れば喜劇である 「下妻物語」のヒットで、世間にその名を馳せた中島哲也監督最新作。山田宗樹の原作小説を中谷美紀主演で実写映画化。女の子なら誰でも一度は憧れるシンデレラ・ストーリーを夢見る少女・松子。中学…

インサイド・マン

確かに面白いんだけど… 社会派の映画を撮ることで知られるスパイク・リー監督が初めて徹底した娯楽映画に取り組んだのがこの「インサイド・マン」だ。マンハッタンの銀行に立て籠もり、50人の人質全員に自分たちと同じ服装を着せるという陽動作戦に出た銀行…

Sound by iLL / iLL

ナカコー・コード 元SUPERCARのナカコーによる新プロジェクト「iLL」。限定販売のレコードをこっそりとリリースしたものの、その正体も思惑もほとんど謎のままだったが、この度正式にアルバムを発表し、遂に全貌が明らかになった。一聴すると前述したサンプ…

ダ・ヴィンチ・コード

小説の挿絵としてしか機能していない 全世界で5000万部の売上を誇るダン・ブラウンの大ベストセラー小説を映画化。5/17から始まっているカンヌ映画祭で初披露されたため、その日まで36分間のフッテージ映像以外はマスコミ試写の類も一切行われず、完全極秘の…

HORIZON / レミオロメン

10年先も聴けるアルバム 「粉雪」の大ヒットで一躍トップアーティストに躍り出たレミオロメン。デビュー以来、ネクストブレイクと謳われつつも何かとタイミングが折り合わず、アジカンにお株を奪われたり、サンボに先を越されたり。「ロッキンオン」を始めと…

Catch The Wave / Def Tech

最高のマスターピース しばらく忙しい日々が続いてBlogの更新も滞り気味に。これでは良くないなと自分に言い聞かせ、色々な音楽や映画のことについて書こうとここ数週間頑張ってみたのだが、どうにも筆が進まない。「進まないってお前それでもプロかよ」と突…

Arctic Monkeys / 2006'0404 / 新木場STUDIO COAST

ロックスターの生まれる瞬間 −set list− The View From The Afternoon I Bet You Look Good On The Dancefloor You Probably Couldn't See For The Light But You Were Starting Straight At Me Perhaps Vampires Is A Bit Strong But... From The Ritz To T…

You Are The Generation That Bought More Shoes And You Get What You Deserve / Johnny Boy

100万回だって聴いてやる HMVで試聴して感動のあまり店内で号泣して以来、知り合いには絶対聴けと勧めまくってるJohnny Boy。勧めまくってるくせに、オフィシャルサイトでフルで聴けるからという理由で今までシングル買わずにアルバムずっと待ってたんだが、…

Johnny Boy / Johnny Boy

出会いたかった奇跡がここにある いきなりで悪いんだけど、泣いて良いかな。というか、もう既に号泣してるんですけど。昨年シングル「You Are The Generation That Bought More Shoes And You Get What You Deserve」で出会って以来、ずっと恋をしていたバン…

ラストデイズ

死に行く者の圧倒的な絶望 「エレファント」でカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した、ガス・ヴァン・サントがカート・コバーンの最期の48時間をモチーフに制作した最新作。劇中にはブレイクと呼ばれる一人のカリスマ・ロック・アーティストが登場するが、…

FLOURISH / Spiral Life

活動休止から10年目を迎えて 僕の青春期において、Spiral Lifeというバンドは非常に大きな存在だ。いや、むしろ僕の青春そのものと言っても過言ではない。それまでは寝ても覚めても芝居のことばかり考えていた完全な演劇少年だった僕の心を一瞬でつかみ、一…

Circle / 木村カエラ

完全なアイドルアルバム。ただし、90年代リバイバル感たっぷり!みたいな! うーん。冒頭からいきなり何だと突っ込まれてしまいそうだが、実際このアルバムを聴いて、うーんとしか言えないのだからしょうがない。とにかくプロデュース陣は豪華なのだ。岸田繁…