Movie

デジャヴ

もう少しで傑作になれたのに…。 「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのジェリー・ブラッカイマーがトニー・スコットと実に6度目のタッグを組んだサスペンス・ミステリー。始めて来た場所なのに何故か一度来た事があるような気がする錯覚「デジャヴ(既…

どろろ

映画よりも連続ドラマ向きな作品かも 手塚治虫原作の漫画「どろろ」を妻夫木聡・柴咲コウ主演で実写映画化。天下を取るという父・醍醐景光の野望のために身体の48カ所を魔物に奪われて生まれてきた主人公の百鬼丸。妖怪を一匹倒すごとに失った身体を一体取り…

武士の一分

芯の通った骨太な演出が見せる、ストレートな時代劇 ウォン・カーウァイ監督作の「2046」や「ハウルの動く城」への声優参加など、近年の木村拓哉の活動は明らかに「海外」を視野に入れていたと思われる。ここ10年ほどの間、日本中の注目を常に集め続けて来た…

DEATH NOTE the Last name

原作ファンにほど見てもらいたい衝撃のラスト 6月に公開され、「デスノート現象」を巻き起こした実写映画版の後編にして完結編。原作にはないオリジナル・キャラクターを登場させ、映画版ならではの醍醐味を見せてくれた前作は、映像やCGの安っぽさを差し引…

手紙

感情の交差が生み出す感動的な人間ドラマ 直木賞作家、東野圭吾の原作小説を山田孝之主演で映画化。自分を大学にやるために盗みに入り、その末に過って人を殺めてしまった兄。主人公は「殺人者の弟」というレッテルを貼られ、世間から差別され続ける人生を送…

涙そうそう

涙そうそうを聴かせるための壮大な前振り映画 BEGINが作曲、森山良子が作詞を手掛け、夏川りみのカヴァーで一躍世間に浸透した名曲「涙そうそう」をモチーフに制作されたのが本作。若くして亡くなった森山良子の兄を想って書かれたという詞になぞらえ、沖縄…

木更津キャッツアイ ワールドシリーズ

有終の美を飾る完結編 2002年にテレビシリーズで登場し、視聴率はそれほど良くなかったにも関わらず、熱狂的な支持者を生み出した「木更津キャッツアイ」。翌2003年には劇場映画版「木更津キャッツアイ 日本シリーズ」が公開され、後追いファンが続出するな…

レディ・イン・ザ・ウォーター

シャマランの奇妙な冒険 こう言うと決まって驚かれるのだが、僕はM・ナイト・シャマランの大ファンである。彼の作品はどんなにつまらなくても必ず見に行くし、DVDも全作品持っている。どうして好きなのかと問われれば、それははっきりとは答えられないのだが…

時をかける少女

間違いなくこの夏最高の映画 筒井康隆原作でこれまで何度も映像化されてきた「時をかける少女」を完全オリジナルでアニメ化したのが本作。メガホンを取ったのは「デジモンアドベンチャー」「ONE PIECE オマツリ男爵と秘密の島」などで高い評価を得てきた細田…

ハチミツとクローバー

パラレル・ワールドのハチクロ 羽海野チカ原作の漫画を実写化。登場する美大生5人全員が片思いという究極にプラトニックな設定を貫きながらも、「恋愛」を「コミュニケーション」のひとつとして捉える事で人と人の繋がりを見直し、そのすれ違い故に起こる青…

ゲド戦記

多くの課題を残した初監督作品 アーシュラ・K・ル=グウィンによって書かれ、「指輪物語」「ナルニア国物語」に並んで世界的に有名なファンタジー小説をスタジオ・ジブリがアニメ化。監督を務めるのは、宮崎駿監督の実子であり、これが初監督と成る宮崎吾朗。…

M:I:III

無難に面白いが、精彩を欠いている 60年代から70年代に大人気を誇った海外ドラマ「スパイ大作戦」の現代版リメイクの第3作目となるのが、本作「M:I:III(Mission Impossible 3)」。ブライアン・デ・パルマを監督に迎え、テレビシリーズのレトロな雰囲気を保ち…

DEATH NOTE(前編)

高望みしなければ、原作のファンも満足できる作り 名前を書けば、その人間を死に追いやることが出来る「デスノート」。死神が落としたそのノートを拾い、それで悪人を次々抹殺することで、悪のない新世界を作ろうとする退屈な天才・夜神月。彼はやがて「キラ…

嫌われ松子の一生

人生は短い目で見れば悲劇だが、長い目で見れば喜劇である 「下妻物語」のヒットで、世間にその名を馳せた中島哲也監督最新作。山田宗樹の原作小説を中谷美紀主演で実写映画化。女の子なら誰でも一度は憧れるシンデレラ・ストーリーを夢見る少女・松子。中学…

インサイド・マン

確かに面白いんだけど… 社会派の映画を撮ることで知られるスパイク・リー監督が初めて徹底した娯楽映画に取り組んだのがこの「インサイド・マン」だ。マンハッタンの銀行に立て籠もり、50人の人質全員に自分たちと同じ服装を着せるという陽動作戦に出た銀行…

ダ・ヴィンチ・コード

小説の挿絵としてしか機能していない 全世界で5000万部の売上を誇るダン・ブラウンの大ベストセラー小説を映画化。5/17から始まっているカンヌ映画祭で初披露されたため、その日まで36分間のフッテージ映像以外はマスコミ試写の類も一切行われず、完全極秘の…

ラストデイズ

死に行く者の圧倒的な絶望 「エレファント」でカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した、ガス・ヴァン・サントがカート・コバーンの最期の48時間をモチーフに制作した最新作。劇中にはブレイクと呼ばれる一人のカリスマ・ロック・アーティストが登場するが、…

クラッシュ

眼前の真実をファンタジーとして昇華する手腕の巧みさ 昨年アカデミー賞を獲得した「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本を務めたポール・ハギスの監督デビュー作。多民族が蠢き合うL.Aを舞台に、36時間という時間の中でいくつかのエピソードが並列して同時進…

ナルニア国物語 第1章 ライオンと魔女

シリーズ化する魅力はあるのか C.S.ルイスによる全7作の傑作ファンタジー小説の第1作目を映像化。シリーズ化も念頭に入れたディズニーの一大プロジェクトであり、現段階ではパート3までの制作は決定しているという。本国イギリスでの原作の知名度は「指輪物…

キング・コング

最高にエモーショナルな映画 1933年に世界を湧かせ、後の特撮映画に多大な影響を及ぼした名作を「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン監督がリメイク。最初に言っておこう。素晴らしい。兎に角素晴らしい。3時間もある大作にも関わらず、僕は1…

輪廻

「見せる」ではなく「語る」恐怖 「呪怨」で世間を席巻し、ハリウッド・リメイクでは自らメガホンを撮り、日本人監督としては全米興行チャート第2位を獲得するという快挙を成し遂げた清水崇監督の日本凱旋作。35年前に起こった大量殺人事件。それを元にした…

THE 有頂天ホテル

ディギュスタシオン・コメディ 「ラジオの時間」「みんなのいえ」に続く三谷幸喜監督作第3弾。1932年に公開され、"グランドホテル形式"と呼ばれる様式を確立した映画「グランドホテル」をモチーフにした作品。大晦日のホテルを舞台に30人近い登場人物による9…

ポビーとディンガン

もう一歩先の結末が見たかった オーストラリアに暮らす少年、アシュモルには悩みがあった。それは妹のケリーアンがポビーとディンガンという架空の友達に夢中なこと。ところがある日、ケリーアンの前からポビーとティンガンが姿を消し、心配のあまりケリーア…

ハリー・ポッターと炎のゴブレット

原作の再現と見せ場をバランス良く配置した秀作 毎年恒例となったハリー・ポッター・シリーズの映画第4弾。魔法使いの少年ハリー・ポッターの成長と宿敵ヴォルデモートとの戦いを描いた長編シリーズ。100年に一回行われる「三大魔法学校対抗試合」。命の危険…

SAW2

ジンクスを吹き飛ばす続編 密室に対角線上に繋がれた二人、真ん中には射殺死体というシチュエーションと、どんでん返しなラストで、昨年スリラーファンの注目を一斉に集めた「SAW」の続編が一年振りに登場。前作の脚本・監督を務めたリー・ワネルとジェーム…

あらしのよるに

食う者と食われる者を超えた友情は、恋愛感情なのか。 きむらゆういち氏原作による児童書をアニメ化したアニメ映画。原作は累計200万部という児童書としては驚異的な売り上げを誇る人気作ということで、今回の映画化は結構な力の入りよう。伝統的なセルアニ…

シン・シティ

漫画を実写化することの意味とは? アメリカン・コミック界のカリスマ、フランク・ミラーの代表作「シン・シティ」を実写映画化。監督を務めるのはロバート・ロドリゲス、原作者のフランク・ミラー、そしてスペシャルゲスト監督としてクエンティン・タランテ…

プライマー

今までにない知的SFスリラー。でも… 画期的な冷却システムを開発しようとしていたエンジニアのアーロンとエイプは、ふとした偶然からタイムマシンを作り上げてしまう。二人はそれを使い、株で儲けようと企むのだが、タイムパラドックスの不安に徐々追いつめ…