Music

unlimited (1979-1983) / Maximum Joy

待ちに待ったCD化! THE POP GROUPの解散後に結成された分派バンド、Maximum Joy。イギリスの中でも、独自の音楽性が育っていることで知られるブリストルから、ファンク、レゲエ、ソウル、ジャズをベースにしたポスト・パンクなサウンドで当時のニューウェー…

AMUSEMENT PARKS ON FIRE / AMUSEMENT PARKS ON FIRE

暴走するフィードバック・ノイズ 若い頃に所謂"シューゲイザー"にもの凄くハマりまくって、そのジャンルの物をとにかく漁るようにして聴いたのだが、今となってはさっぱり聴かない。それどころか、店のポップで「シューゲイザー継承者」や「マイブラフォロワ…

SLIVER / NIRVANA

燃え尽かせてもらえない皮肉 一昨年は「You Know You Are Right」を収録したベストアルバムを発売、去年は未発表デモトラックを大量にパッケージしたボックスセットを発売し、今度はそのボックスセットから曲を更に絞り込み、3曲の未発表音源を追加して販売…

Baby I Love You / くるり

日常が紡ぎ出す、最大限の愛の歌 正直なところ、前作「アンテナ」は良さが余りよく分からなかった。確かに「バガボンド」の斬り合いのようなバンドサウンドはダイナミックで凄まじいまでの殺気を放っていたし、修行僧の如く求道の果てに打ち出した日本ロック…

Clap Your Hands Say Yeah / Clap Your Hands Say Yeah

手を叩け、イエイ! ニューヨークの噂の5人組、Clap Your Hands Say Yeahのデビューアルバム。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドから脈々と語り継がれているニューヨーク・パンク直系の気怠く放物線を描くノイジーなギターと、ペイブメントを思わせるロー…

Feels / Animal Collective

醒めない夢 ニューヨークのブルックリンを拠点として活動するAnimal Collectiveの5枚目となるニューアルバム。ニューヨークという一筋縄ではいかないバンドが多く輩出される街の出だけあって、彼らの音楽性を説明するのは非常に困難なのだが、ノー・ウェーブ…

STARS OF CCTV / HARD-Fi

生きるか、死ぬか サウス・ウエスト・ロンドンの労働階級出身の4人組、HARD-Fiのデビューアルバム。パンク、レゲエ、スカ、ダブ、ディスコを飲み込み、キャッチィなメロディと攻撃性溢れる歌詞で、オーディエンスのハートをがっちりつかんでくる曲は、マニ…

KNEwwaVE / aM

光のカケラ くるり、中村一義、Number Girl、Supercar。彼らに共通しているのは、00年にこぞってダンスミュージックを飲み込んだ独自のロック路線を生み出したということ。渋谷系以降の「邦楽の洋楽化」が完全に行き詰まり、世紀末という究極の最終形から沸…

Check In / THE CHALETS

キャンディ・ポップ・マジカル アイルランド出身の5人組バンド(女:2/男:3)のデビューアルバム。ニューウェーブな匂いをプンプン漂わせつつも、独特のローファイ感や、ロリな女性ボーカルが醸し出す変なテンションが妙に病みつきになる不思議なバンド。人…

I Bet You Look Good On the Dancefloor / Arctic Monkeys

たった一枚で全英を制圧したバンド デビューシングル「Five Minutes With Arcic Monkeys」で全英を湧かし、アルバムも発売していない段階でライヴのチケットは一ヶ月前には全てソールドアウト。火をつけたシングルも既に完売し、eBayで高騰するほど入手困難…

Playing The Angel / Depeche Mode

孤高のエレポップ復活 UKテクノシーン、エレポップムーブメントの中心的存在、Depeche Mode。95年にアラン・ワイルダーが脱退してから一時的なスランプに陥っていたものの、前作「Exciter」で見事に完全復活を遂げ200万枚のセールスを獲得。自分たちの持ち味…

Give Me More! / Futon

勃て! 濡れろ! まさかこの歳になって音楽を聴いて勃起するとは思わなかった。先日の野宮真貴のレビューでも少し触れたバンコク発、多国籍音楽集団Futonの日本デビュー特別編集盤。タイ人+日本人+イギリス人+元Suedeのドラムという雑多な人種から生み出…

ИATURAL / ORANGE RANGE

ただのチャートヒッターで終わるのか、新世代のフリッパーズ・ギターとなれるのか。 このCDが売れない時代に前作「MusiQ」のセールスが200万枚を突破するという快挙を成し遂げたORANGE RANGE。ヘビィなギターと3MCによるスピーディなマイクリレーを基本とす…

Party People / 野宮真貴

Party People On The Piano! 野宮真貴(ex ピチカート・ファイヴ)の5thアルバム。ファッション分野においても、音楽分野においてもパイオニアであり続ける彼女が今回挑んだのは、原点とも言うべき80年代。MTVの襲来により、洋楽も邦楽も分け隔て無くラジオ…

Set and Drift / DIEFENBACH

デンマークからの静かな奇襲 Mew、Kashmirと密かに注目を集めだしているデンマークだが、またひとつ注目を集めそうなバンドが頭角を現してきた。DIEFENBACHというコペンハーゲン出身の5人組。元々彼らはポストロック的なインストゥメンタル集団で、その筋で…

Be my Last / 宇多田ヒカル

ジャッジに一票(既聴) 「ジャッジに一票」って、いきなり何を言ってるんだと思っている人も大勢居るかも知れません(と言ってもここ見てる人なんてほとんど居ないんですけど)。このレビューはbounce.comで連載がスタートした「菊地成孔のチアー&ジャッジ…

SINGLES / NEW ORDER

未完のメランコリィ 今年のフジロックでトリを務めたことも記憶に新しいNEW ORDER(4年前のホワイトステージの悪夢を吹き飛ばす素晴らしいパフォーマンス!)の81年のデビューから、06年シングルカット予定曲までを一気にひっくるめたシングル集。とは言え、…

GOAL! / O.S.T

プレミア・ライフはすぐそこ FIFA初公認のサッカー映画「GOAL!」。ロサンゼルスに住む貧しい若者が、地元のサッカーチームでプレイしているときにイギリス人のスカウトマンに見いだされ、立身出世をしていくというサクセスストーリー。総制作費は1億ドルで3…

EP+C / BATTLES

紡ぎ上げられる極限 元HELMET/現TOMAHAWKのJohn Stanier、元DON CABALLEROのIan Williams、元LYNXのDave Konopka、そしてTyondai Braxtonの4人が織り成す、ニューヨーク発のインスト・バンド。昨年1月、THE MARS VOLTAのフロントアクトを務め、壮絶なライヴ…

We Can Sing A Song / AIR

Clap Your Hands & Say Yeah! オーストラリア留学に伴う一年間の休業を経ての復活第二弾シングル。11/9に発売が決定したアルバムからの先行シングル曲でもある。しなやかなファンキービートの上を透き通った車谷の歌声がどこまでも突き抜けていく心地よいア…

The Essential Michael Jackson / Michael Jackson

合い言葉はポゥ! 度重なる整形手術で黒人から白人に変身しちゃったり、その後遺症(?)なのか、突然鼻がひん曲がっちゃったり、自分の子供をベランダから吊しちゃったり、幼児虐待で訴えられちゃったりと、ここ近年の行動があまりにも痛々しすぎて、すっか…

HAPPY BIRTHDAY,JOHN / V.A

豪華だけど、教科書通り過ぎ? ジョン・レノン生誕65年を記念しての日本人アーティストによる豪華トリビュートアルバム。没後25年だったら四半世紀でトリビュートする理由も何となく分かるのだが、生誕65年というのは何だか区切りとしては据わりが悪い気がす…

You Could Have It So Much Better / Franz Ferdinand

危険なダンスパーティへの誘い ニューウェーブ風プラスティックサウンドを取り入れたケレン味たっぷりのメロディと甘いルックスでオーディエンスを魅了し、瞬く間に世界中でトップレベルの人気を獲得したFranz Ferdinand。2004年のフジロック・フェスティバ…

L.D.K Lounge Designers Killer / Capsule

鮮やかに花開いた東京サウンド 前作から僅か7ヶ月でリリースされたCapsuleの新作。リリースのスパンは短いのに内容が衰えるどころか、加速度的に良くなって行くことに毎度驚かされる。ハウス、ボサノヴァ、ラウンジ、ネオアコ、ポップとありとあらゆる要素を…

I ♥ U/ Mr.Children

世界の中心で、愛を叫んだけもの 「アイ・ラブ・ユー」なんて、シンプルでありふれた愛の言葉は今時誰も使わないし、囁かれたところで胸が熱くなることもない。すっかり使い古されて、言葉自体の価値が下がり、安っぽくなってしまったのもあるだろうけど、そ…