ファンファーレ / □□□

大人も子供もおねーさんも。

ファンファーレ
昨年のデビューアルバム「□□□」ではインストゥルメンタルと歌モノを同居させ、音響的アプローチとポップミュージックの間を行き来する幅広い音楽性を見せつけた彼ら。11ヶ月振りにリリースされたこのセカンドアルバムでは、プロデューサーにROVO益子樹を迎え、何と全編歌モノに挑戦してしまうと言う振り切れっぷり。「そんなに思い切っちゃって大丈夫?」とも思ったが、いざ聴いてみると、スピーカーから溢れ出す七色の音の波に何もかもうち消されてしまう程の完成度ではないか。「これぞポップミュージック!」と、諸手を挙げて拍手喝采をしたくなるような素晴らしいアルバムの誕生だ。
冒頭から終わりまで、軽やかに駆け抜けていく色鮮やかな音のシャボン玉と、日本人心をくすぐりまくる甘く切ないメロディライン。80年代アイドル歌謡渋谷系、ヒップホップ、最新型ダンスミュージック…ありとあらゆる日本のポップを飲み込み、一気に凝縮して生み出された高密度のポップミュージック結晶体。過去と現在がミックスされてしまったかのような懐かしくも新しい旋律が、初恋のように胸をキュンキュン高鳴らせまくる。前作は音像の幅を広くするか、狭くするかという三次元的な視点で音楽の振り幅を見せた□□□だが、今回は時間の概念を混ぜこぜにするという四次元的なサウンドメイキングを試みている。その結果、老若男女に対応したボーダレスなメロディを作り出すことに成功しているが、いずれの場合も彼らの音楽に対する柔軟さが大きなキーになっているのは間違いない。全ての邦楽ファンに捧げたい、エヴァー・グリーンなポップ・クリスタルだ。