MYTH TAKES / !!!

進化と深化のダンスミュージック

Myth Takes [帯解説・歌詞対訳 / ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC167)
05年に突如としてリリースされたカヴァーシングル「Take Ecstasy With Me/Get Up」があまりにもシンプルな四つ打ちダンスビートだったので、「ああ、次回からはこういう路線にいくのかな」と少し寂しい思いをしていたが、まさかこういう方向に来るとは思ってもいなかった。「予想外だ」なんてキャッチーにカスタマイズされたセリフをちょっと前まで腐るほどCMで耳にしていたが、人の想像力とは思いのほか豊かで、実際に「予想外」である事なんてほとんどない。だが、このバンドはいとも簡単に予想の斜め上を行く。ロックともパンクともジャムバンドともつかぬカテゴリー不明のサウンドもさることながら、このバンドが異形だと言われるのは発想の飛躍にあるのだろう。伊達に「!」が三つも連なっていない。
 世界中を黒いダンス衝動で覆い尽くした前作「LOUDEN UP NOW」の流れを組むファンクビートを基盤としつつも、肉体よりも精神面へとアプローチを変えて来た本作は、血湧き肉踊るような即効性はないが、聴くほどにハマり、踊るほどに悟る。いつの間にか宇宙と直結している曼荼羅グルーヴは、サン・ラが常に夢見ていた境地だ。ダンスの起源は踊る事で神と出会うことだった。最前線のビートで攻めながらも、彼らは最も原始的な本能へと呼びかけている。いつか僕等は神と出会えるのか? 答えはこの先にある。