RAM RIDER / 2006'0131 / 月見ル君想フ

音楽のある星に生まれて良かった

−set list−
DOOR
MUSIC
SECRET DANCE
Sun Light Stars
ワンダフルフィルム
HELLO
ラジオボーイ(新曲)
FLOWER(新曲)
マグネット(新曲)
ミラーボール
ユメデアエル
ベッドルームディスコ


−e.c−
SWEET DANCE
FREE(新曲)

地下二階のライヴハウスから僕は確実に星を見た。RAM RIDERの記念すべき初のワンマンライヴに参加出来たことに本当に心から感謝したい。結果としてマッドチェスターを巻き起こすきっかけとなったSEX PISTOLSの初ライヴに例えたら少し大げさに聞こえるかも知れないが、そう例えてしまいたくなるくらい、"ここから何かが始まりそうな"歴史的な夜だったのだ。
「DOOR」のオープニングからステージを覆っていた白い幕が切って落とされ、のっけからキラーアンセム「MUSIC」でスタート。バンド編成でダンス&ロックな「ポータブルディスコ」サウンドをばんばん投下していく。途中何度かリズム隊(特にドラム)がもたつくなど、ややビートに重さを感じる部分はあったが、それを物ともせず勢いで乗り切り「HELLO」で爆発的にフロアを炎上させ、「ユメデアエルヨ」でステージとフロアが一体化したとき、僕たちはこのライヴに勝利したと思った。当たり前の話だがライヴはステージのパフォーマンスが良ければ盛り上がるというものでもないし、フロアのオーディエンスの盛り上がりのみで成立するものでもない。ステージとフロアのコール&レスポンスによって生まれるコミュニケーションで初めて成就する蜜月関係だ。はっきり言って今日のRAMRIDERの演奏力自体は課題が残るものであったし、ぎゅうぎゅうに人が詰め込まれてほとんど踊るスペースがなかったフロアのコンディションも決して良いものだったとは言えない。だけど、だからこそお互いがお互い、このライヴを忘れられないものにしよう、大切な瞬間にしようという気概に満ちあふれており、それが驚異的なコール&レスポンスの嵐を巻き起こしたのだと思う。せめぎ合うように寄せては返す歓喜の波が今日のライヴを作り上げたと言っても過言ではない。RAM RIDERはステージの上から僕たちに何度も握手するように手を差し向け、僕たちはそれに目一杯応えようと手を掲げた。そこには確実に見えないタッチで繋がるものがあったのだ。ライヴが終わった後、みんなの顔はすんごい笑顔だった。それは全力でスポーツ選手を応援していたサポーターの顔のように輝いていた。今日のライヴに参加し、共に闘ったことを本当に誇りにしている良い笑顔だった。こういう笑顔を見たライヴは絶対忘れられない。
僕たちは音楽のある世界に生まれて、音楽で分かり合える世界に住んでいる。もちろん、音楽が必ずしも良い物事だけに利用されるとは限らないのだが、それでも僕はこんな幻想にすがり、こんな幻想とともに生きていけることを幸福だと思っている。コミュニケーションが生み出す世界は、新しい何かを確実に引き起こす。それはRAM RIDERがダンス・ミュージックを通して世界をこじ開けようとしていることときっと同じなのだ。今日のライヴで見た星は、僕たちが住むこの地球かも知れない。踊れる地球。僕はこの星に生まれて本当に良かったと思っている。