2005-01-01から1年間の記事一覧

ハサミ男

DVD

監督との相性が圧倒的に悪かった作品 第13回メフィスト賞受賞作であり、映像化不可能とまで言われた「ハサミ男」を「人魚伝説」の鬼才・池田敏春が映像化。女子高生を狙い、殺した後に喉にハサミを突き刺すシリアルキラー「ハサミ男」。"彼"は新しい獲物、樽…

you / 倖田來未

最も健全な00年世代の行き着く先はどこなのか? 倖田來未というアーティスト名を聞いて、あなたがまず考えることは何だろうか。過激な衣装、"エロ格好いい"というキーワード、エイベックスの新しい歌姫、ギャルの新教祖。どれもが彼女を端的に表現していると…

LET'S BUILD A FIRE/ +/-

どうしようもなく美しく、それでいて狂っている。 ああ、もう+/-の新譜が出ただけでも幸せだというのに、この完成度と言ったらどうしたことだろう。もう僕に狂えと言っているのだろうか。獣になっちまえと言ってるのか。酔っぱらっているかのようにふらふら…

THE 有頂天ホテル

ディギュスタシオン・コメディ 「ラジオの時間」「みんなのいえ」に続く三谷幸喜監督作第3弾。1932年に公開され、"グランドホテル形式"と呼ばれる様式を確立した映画「グランドホテル」をモチーフにした作品。大晦日のホテルを舞台に30人近い登場人物による9…

ポビーとディンガン

もう一歩先の結末が見たかった オーストラリアに暮らす少年、アシュモルには悩みがあった。それは妹のケリーアンがポビーとディンガンという架空の友達に夢中なこと。ところがある日、ケリーアンの前からポビーとティンガンが姿を消し、心配のあまりケリーア…

Tip Taps Tip / HALCALI

現役ツンデレダンスビート 前作「音樂ノススメ」は非常に素晴らしい出来だったが、同時にギャル・ラップ・ユニットとしてやれることは全てやり尽くしてしまい、限界も感じさせたHALCALI。次は余程上手くやらないと延々と自分たちのスタイルをコピペして行く…

PORTABLE DISCO / RAM RIDER

踊れる未来へ RAM RIDERのデビューアルバムが遂に発売になったのだが、レコードショップでジャケットを見て「やられた」と思った。帯に「踊れる未来へ」というキャッチコピーが書いてあったのだ。ちくしょう。すんげえいいキャッチコピーじゃないか。RAM RID…

きみに読む物語

DVD

愛し続けるという意味 療養施設で記憶を亡くした老婆に物語を聞かせる老人。その物語とは、1940年に出会った身分違いの若い男女の恋物語だった。それは若き日の老人と老婆の姿。彼はこの物語を読み聞かせることで、彼女の記憶を取り戻そうとするのだが…。 出…

宇宙戦争

DVD

最初と最後だけ見ればいい映画 H.G.ウェルズのSF古典をスティーブン・スピルバーグが再映画化(53年に一度映画化されている)。スピルバーグが久し振りにパニックスリラーのメガホンを取ると言うことと、主演を務めるのがトム・クルーズと言うこともあり、「…

NIKKI / くるり

隣で鳴っていてくれる音楽 「Baby, I Love You」のレビューで散々語り尽くしてしまった感はあるのだが、くるりのアルバムがようやく発売となった。どえらいアルバムである。一曲一曲のクオリティが異様に高い。全曲をシングルカットしてもおかしくないほどの…

The third eye / the pillows

世界を切り拓く歌 17年目に突入し、大きくシフトチェンジをしたわけでもないのに、the pillowsの新曲を聴くと、いつも「今度はこう来たか」と思わされてしまう。聴き触りの良いストレートなギターと直球のメロディ、それと相反するかのような青さと憂鬱が同…

ハリー・ポッターと炎のゴブレット

原作の再現と見せ場をバランス良く配置した秀作 毎年恒例となったハリー・ポッター・シリーズの映画第4弾。魔法使いの少年ハリー・ポッターの成長と宿敵ヴォルデモートとの戦いを描いた長編シリーズ。100年に一回行われる「三大魔法学校対抗試合」。命の危険…

BEEF or CHICKEN / TERIYAKI BOYS

確かに豪華。だけど小さい。 RIP SLYMEのILMARI、RYO-Z、m-floのverbal、新人ラッパーのWISE、そしてNIGOで結成された五人組ラップユニットTERIYAKI BOYS。楽曲を提供するプロデューサー陣はネプチューンズのファレルを始めとして、ダフトパンク、ビースティ…

Confessions On A Dance Floor / MADONNA

56分28秒のキラーチューン 前作「アメリカン・ライフ」から2年振りにリリースされたMADONNAの新作。時にはロック調に、時にはエレクトロニカなアプローチに手を出してみたりと、時代の流れに合わせてその手法を変容させ、ポップ・クイーンの名前を欲しいまま…

Down in Albion / BabyShambles

時代錯誤なロックヒーロー 元リバティーンズのピート・ドハーティによる新バンド、BabyShamblesのデビューアルバム。プロデュースを務めるのは元クラッシュのミック・ジョーンズということもあり、初期のクラッシュを思わせるスッカスカのパンクサウンド満載…

いかれたBABY / フィッシュマンズ

時間を越える熱気 今年に入ってベストアルバムを発売し、RISING SUN ROCK FESTIVALにて実に6年振りのライヴを行い、奇跡的な復活を遂げたフィッシュマンズ。復活ツアーを前にして発売したのは7年前に赤坂ブリッツで行ったライヴ音源を収録したワンコインシン…

全ての夜と全ての朝にタンバリンを鳴らすのだ / サンボマスター

鐘だろうがタンバリンだろうがとにかく鳴らせ! 「この国では顔が良くないバンドは売れない」という誰が言い出したか、誰も言っていないかは知らないが、いつの間にか暗黙の了解となりつつあったルールを打ち破って、一躍時の人となったサンボマスター。不細…

修羅場 / 東京事変

迷走を続ける疑似家族 椎名林檎個人としての活動の終止符を打ち、活動を開始した東京事変だが、僕はこのバンドの活動が目指す場所が全くと言っていいほど見えてこない。何も求めていないし、何かを発しようという気概もない。ただ、仕事としてポップミュージ…

エターナル・サンシャイン

DVD

許すことが愛 ミュージックビデオ界の鬼才、ミッシェル・ゴンドリーと曲者脚本家、チャーリー・カウフマンによるタッグ2作目。前作「ヒューマン・ネイチュア」の出来がイマイチだっただけに、それほど期待していなかったのだが、今回はお互いの持ち味を上手…

真夜中の弥次さん喜多さん

DVD

枷があった方が光る才能 今や飛ぶ鳥を落とす勢いの宮藤官九郎初監督作品。しりあがり寿原作の漫画をクドカンが映画化するとなれば、期待せずにはいられないと言う程相性抜群の組み合わせだと思っていたのだが、観賞後の感想は一言で言うと微妙。やりたいこと…

フォーガットン

DVD

え? これギャグなの? 本気なの? 飛行機事故で息子を失ったテリーは、その悲しみから逃れられずにいた。そんなある日、彼女を不思議な出来事が襲う。飾ってあった写真から息子の姿が消え、夫も「息子はいない」と言い出し始める。他の人に聞いても、皆口を…

ファンファーレ / □□□

大人も子供もおねーさんも。 昨年のデビューアルバム「□□□」ではインストゥルメンタルと歌モノを同居させ、音響的アプローチとポップミュージックの間を行き来する幅広い音楽性を見せつけた彼ら。11ヶ月振りにリリースされたこのセカンドアルバムでは、プロ…

The Power Out / Electrelane

このサナギから孵化したのは何か? 思い返せば思い返す程、今年は行っておけば良かったと後悔するのだ。朝霧ジャム。無茶苦茶天気も良くて、ライヴも色々最高だったらしいじゃないか。青い空、富士山、音楽。考えるだけでもうっとりしてしまう。7月からの夏…

unlimited (1979-1983) / Maximum Joy

待ちに待ったCD化! THE POP GROUPの解散後に結成された分派バンド、Maximum Joy。イギリスの中でも、独自の音楽性が育っていることで知られるブリストルから、ファンク、レゲエ、ソウル、ジャズをベースにしたポスト・パンクなサウンドで当時のニューウェー…

SAW

DVD

新感覚ソリッド・シチュエーション・スリラー えーっと、これから見よう、もしくはちょっと気になっているという人はここから先は一切読まないで下さい。見てから読んで下さい。直接的なネタバレは避けますが、敢えて何の情報も無しで見た方が絶対面白いと思…

SAW2

ジンクスを吹き飛ばす続編 密室に対角線上に繋がれた二人、真ん中には射殺死体というシチュエーションと、どんでん返しなラストで、昨年スリラーファンの注目を一斉に集めた「SAW」の続編が一年振りに登場。前作の脚本・監督を務めたリー・ワネルとジェーム…

AMUSEMENT PARKS ON FIRE / AMUSEMENT PARKS ON FIRE

暴走するフィードバック・ノイズ 若い頃に所謂"シューゲイザー"にもの凄くハマりまくって、そのジャンルの物をとにかく漁るようにして聴いたのだが、今となってはさっぱり聴かない。それどころか、店のポップで「シューゲイザー継承者」や「マイブラフォロワ…

交響詩篇エウレカセブン

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ねだるな。勝ち取れ。さすれば与えられん。 放送時間が日曜朝7時なので朝起きられず、全体の2割程を飛ばし飛ばし見ていたのだが、やはり話の全貌が全くつかめず。物語も後半戦に突入してきて、このまま置いてけぼりを食らうのは流石にまずいかなと思ったので…

SLIVER / NIRVANA

燃え尽かせてもらえない皮肉 一昨年は「You Know You Are Right」を収録したベストアルバムを発売、去年は未発表デモトラックを大量にパッケージしたボックスセットを発売し、今度はそのボックスセットから曲を更に絞り込み、3曲の未発表音源を追加して販売…

Baby I Love You / くるり

日常が紡ぎ出す、最大限の愛の歌 正直なところ、前作「アンテナ」は良さが余りよく分からなかった。確かに「バガボンド」の斬り合いのようなバンドサウンドはダイナミックで凄まじいまでの殺気を放っていたし、修行僧の如く求道の果てに打ち出した日本ロック…