HAPPY BIRTHDAY,JOHN / V.A

豪華だけど、教科書通り過ぎ?

HAPPY BIRTHDAY,JOHN
ジョン・レノン生誕65年を記念しての日本人アーティストによる豪華トリビュートアルバム。没後25年だったら四半世紀でトリビュートする理由も何となく分かるのだが、生誕65年というのは何だか区切りとしては据わりが悪い気がする。命日か誕生日に合わせて売り出せば良かったのに、どうやら10/7の「ジョン・レノン・スーパーライブ」に合わせての販売の模様(10/9が誕生日で日曜日なのだからイベントもその日にやればいいのにとも思うが、ブッキングの関係上この日になったのではないかと予想したりしなかったり)。
参加しているアーティストは、100sを始めとして、椎名林檎DREAMS COME TRUE槇原敬之奥田民生PUFFY忌野清志郎などなど。そうそうたる顔ぶれではあるが、実際の内容はどれも原曲に忠実なカヴァーが大半を占めるので、面白味に欠けるのは否めない。まあ、元が大御所だけに大胆なアレンジはし難いというのもわかるが、面子が面子だけにもう少し冒険したものを聴きたかったと思うのは欲張りなのだろうか。その中でも、やはりというか当然というか、ナカコウ(ex Supercar)による「Tomorrow Never Knows」だけは明らかに異彩を放っている。テープの逆回転を活かしたサイケな原曲をギタギタにぶっ壊して、トランシィなアップチューンに仕上げる大胆不敵さ(ケミカル・ブラザーズの「Setting Sun」かと思った)。本気か冗談か分からないところがまた恐ろしいところ。
正直、ジョン・レノンのファンより、参加アーティストのファン向けの企画盤であるように思えるし、彼ほど有名人であれば新規ファンの獲得も必要ないとも思うのだが、イベントに向けて盛り上げる必要はあるのでしょう。お目当てのアーティストが何人いるか、と言うのが購入のポイントとして大きく作用しそう。試聴はこちらのページで可能なので、気になっている人は要チェック。