Music

Sugarless Girl / Capsule

ラフでカジュアルなファッション・ミュージック 中田ヤスタカは本当に天才なんじゃないかと思う。前作から9ヶ月という短いスパンでのリリース、更にはアイドルユニットPerfumeのプロデュースも手掛けているというのに、どの作品も一曲として捨て曲がなく、輝…

the bird & the bee / the birds & the bee

無邪気でグロい少女の迷宮 「レディオヘッド・ミーツ・カヒミ・カリィ」や「激甘のビョーク」なんて、簡単に言葉で言い表そうと思えばいくらでも出来るのに、そういう比喩に逃げたくない音だ。そもそもレディへとカヒミが融合したところで、お互いの個性を相…

MYTH TAKES / !!!

進化と深化のダンスミュージック 05年に突如としてリリースされたカヴァーシングル「Take Ecstasy With Me/Get Up」があまりにもシンプルな四つ打ちダンスビートだったので、「ああ、次回からはこういう路線にいくのかな」と少し寂しい思いをしていたが、ま…

Myths of the Near Future / KLAXONS

とにかくみんなで歌って踊って騒ごう騒ごう 大好きなKITSUNE関連アーティストという事で興味本位で聴いてはみたらヤバいくらいに脳髄を撃ち抜かれてしまい、ここ最近はiPodでヘビーローテンション中。久しぶりに音楽のレビューを書いてみようかと思い腰を上…

Sound by iLL / iLL

ナカコー・コード 元SUPERCARのナカコーによる新プロジェクト「iLL」。限定販売のレコードをこっそりとリリースしたものの、その正体も思惑もほとんど謎のままだったが、この度正式にアルバムを発表し、遂に全貌が明らかになった。一聴すると前述したサンプ…

HORIZON / レミオロメン

10年先も聴けるアルバム 「粉雪」の大ヒットで一躍トップアーティストに躍り出たレミオロメン。デビュー以来、ネクストブレイクと謳われつつも何かとタイミングが折り合わず、アジカンにお株を奪われたり、サンボに先を越されたり。「ロッキンオン」を始めと…

Catch The Wave / Def Tech

最高のマスターピース しばらく忙しい日々が続いてBlogの更新も滞り気味に。これでは良くないなと自分に言い聞かせ、色々な音楽や映画のことについて書こうとここ数週間頑張ってみたのだが、どうにも筆が進まない。「進まないってお前それでもプロかよ」と突…

You Are The Generation That Bought More Shoes And You Get What You Deserve / Johnny Boy

100万回だって聴いてやる HMVで試聴して感動のあまり店内で号泣して以来、知り合いには絶対聴けと勧めまくってるJohnny Boy。勧めまくってるくせに、オフィシャルサイトでフルで聴けるからという理由で今までシングル買わずにアルバムずっと待ってたんだが、…

Johnny Boy / Johnny Boy

出会いたかった奇跡がここにある いきなりで悪いんだけど、泣いて良いかな。というか、もう既に号泣してるんですけど。昨年シングル「You Are The Generation That Bought More Shoes And You Get What You Deserve」で出会って以来、ずっと恋をしていたバン…

FLOURISH / Spiral Life

活動休止から10年目を迎えて 僕の青春期において、Spiral Lifeというバンドは非常に大きな存在だ。いや、むしろ僕の青春そのものと言っても過言ではない。それまでは寝ても覚めても芝居のことばかり考えていた完全な演劇少年だった僕の心を一瞬でつかみ、一…

Circle / 木村カエラ

完全なアイドルアルバム。ただし、90年代リバイバル感たっぷり!みたいな! うーん。冒頭からいきなり何だと突っ込まれてしまいそうだが、実際このアルバムを聴いて、うーんとしか言えないのだからしょうがない。とにかくプロデュース陣は豪華なのだ。岸田繁…

ファンクラブ / ASIAN KUNG-FU GENERATION

最終形のその先を 前作「ソルファ」は完全に勝利のアルバムだった。下積み時代から長年積み重ねてきたアジカンのキャリアの集大成とも言える、ポップネスとバンドの肉体性が高密度で結合したサウンドと、全力で未来をつかみ取ろうと藻掻く言葉の数々。それら…

Ill

次への標識か。はたまた迷い森への誘いか。 CISCO RECORDS限定で販売された元SUPERCAR、NYANTORAのナカコーによるネクスト・プロジェクトのプロモレコード。すでに完売となっており、現在では入手困難となっている。あの魔法のようなバンドを率いていたナカ…

Whatever People Say I Am, That's What I'm Not / Arctic Monkeys

手法ではなく、魂と結びついたバンド 「暴れ馬のようなアルバムだ」というのが第一印象だった。前のめりのビートに腰のあるベースライン、炎上するギター・サウンド、そしてラップのようなボーカルがこれでもかと矢継ぎ早に繰り出され、乗る者を振り落とさん…

JUKE BOX / BENT FABRIC

こんなジジイに僕はなりたい 「これファットボーイの新曲?」なんて思っていたら、実は81歳(今年82歳)のジャズ・ピアニストの曲だと言うのだから驚かされる。跳ねるダンスビートとほとばしるピアノ。その無邪気なまでの奔放さは10代の少年を思い起こさせる…

FLASH / THE HIGH-LOWS

ロックそのものになれ。 「分かり易く日本語で歌ってるけど、どうしても訳せない言葉がある。ロックンロール」とヒロトは言った。2005年夏、苗場スキー場で開催されたフジロック・フェスティバルのステージでの発言だ。恥ずかしながら、無茶苦茶感動した。結…

you / 倖田來未

最も健全な00年世代の行き着く先はどこなのか? 倖田來未というアーティスト名を聞いて、あなたがまず考えることは何だろうか。過激な衣装、"エロ格好いい"というキーワード、エイベックスの新しい歌姫、ギャルの新教祖。どれもが彼女を端的に表現していると…

LET'S BUILD A FIRE/ +/-

どうしようもなく美しく、それでいて狂っている。 ああ、もう+/-の新譜が出ただけでも幸せだというのに、この完成度と言ったらどうしたことだろう。もう僕に狂えと言っているのだろうか。獣になっちまえと言ってるのか。酔っぱらっているかのようにふらふら…

Tip Taps Tip / HALCALI

現役ツンデレダンスビート 前作「音樂ノススメ」は非常に素晴らしい出来だったが、同時にギャル・ラップ・ユニットとしてやれることは全てやり尽くしてしまい、限界も感じさせたHALCALI。次は余程上手くやらないと延々と自分たちのスタイルをコピペして行く…

PORTABLE DISCO / RAM RIDER

踊れる未来へ RAM RIDERのデビューアルバムが遂に発売になったのだが、レコードショップでジャケットを見て「やられた」と思った。帯に「踊れる未来へ」というキャッチコピーが書いてあったのだ。ちくしょう。すんげえいいキャッチコピーじゃないか。RAM RID…

NIKKI / くるり

隣で鳴っていてくれる音楽 「Baby, I Love You」のレビューで散々語り尽くしてしまった感はあるのだが、くるりのアルバムがようやく発売となった。どえらいアルバムである。一曲一曲のクオリティが異様に高い。全曲をシングルカットしてもおかしくないほどの…

The third eye / the pillows

世界を切り拓く歌 17年目に突入し、大きくシフトチェンジをしたわけでもないのに、the pillowsの新曲を聴くと、いつも「今度はこう来たか」と思わされてしまう。聴き触りの良いストレートなギターと直球のメロディ、それと相反するかのような青さと憂鬱が同…

BEEF or CHICKEN / TERIYAKI BOYS

確かに豪華。だけど小さい。 RIP SLYMEのILMARI、RYO-Z、m-floのverbal、新人ラッパーのWISE、そしてNIGOで結成された五人組ラップユニットTERIYAKI BOYS。楽曲を提供するプロデューサー陣はネプチューンズのファレルを始めとして、ダフトパンク、ビースティ…

Confessions On A Dance Floor / MADONNA

56分28秒のキラーチューン 前作「アメリカン・ライフ」から2年振りにリリースされたMADONNAの新作。時にはロック調に、時にはエレクトロニカなアプローチに手を出してみたりと、時代の流れに合わせてその手法を変容させ、ポップ・クイーンの名前を欲しいまま…

Down in Albion / BabyShambles

時代錯誤なロックヒーロー 元リバティーンズのピート・ドハーティによる新バンド、BabyShamblesのデビューアルバム。プロデュースを務めるのは元クラッシュのミック・ジョーンズということもあり、初期のクラッシュを思わせるスッカスカのパンクサウンド満載…

いかれたBABY / フィッシュマンズ

時間を越える熱気 今年に入ってベストアルバムを発売し、RISING SUN ROCK FESTIVALにて実に6年振りのライヴを行い、奇跡的な復活を遂げたフィッシュマンズ。復活ツアーを前にして発売したのは7年前に赤坂ブリッツで行ったライヴ音源を収録したワンコインシン…

全ての夜と全ての朝にタンバリンを鳴らすのだ / サンボマスター

鐘だろうがタンバリンだろうがとにかく鳴らせ! 「この国では顔が良くないバンドは売れない」という誰が言い出したか、誰も言っていないかは知らないが、いつの間にか暗黙の了解となりつつあったルールを打ち破って、一躍時の人となったサンボマスター。不細…

修羅場 / 東京事変

迷走を続ける疑似家族 椎名林檎個人としての活動の終止符を打ち、活動を開始した東京事変だが、僕はこのバンドの活動が目指す場所が全くと言っていいほど見えてこない。何も求めていないし、何かを発しようという気概もない。ただ、仕事としてポップミュージ…

ファンファーレ / □□□

大人も子供もおねーさんも。 昨年のデビューアルバム「□□□」ではインストゥルメンタルと歌モノを同居させ、音響的アプローチとポップミュージックの間を行き来する幅広い音楽性を見せつけた彼ら。11ヶ月振りにリリースされたこのセカンドアルバムでは、プロ…

The Power Out / Electrelane

このサナギから孵化したのは何か? 思い返せば思い返す程、今年は行っておけば良かったと後悔するのだ。朝霧ジャム。無茶苦茶天気も良くて、ライヴも色々最高だったらしいじゃないか。青い空、富士山、音楽。考えるだけでもうっとりしてしまう。7月からの夏…