GOAL! / O.S.T

プレミア・ライフはすぐそこ

Goal! The Dream Begins
FIFA初公認のサッカー映画「GOAL!」。ロサンゼルスに住む貧しい若者が、地元のサッカーチームでプレイしているときにイギリス人のスカウトマンに見いだされ、立身出世をしていくというサクセスストーリー。総制作費は1億ドルで3部作であることも決定している超ビッグ・プロジェクトなこの映画、ベッカムジダンがそのまま登場することでも話題を呼んでいるが、サウンドトラックの方も負けじとサッカー好きなUKロック勢で固めており、サッカー・ミーツ・UKロックという夢のコラボレーションを実現させている。
目玉はやはりHAPPY MONDAYSOASISU.N.K.L.E.の新曲。HAPPY MONDAYSはお得意のマンチェ・グルーヴにショーン・ライダーの気怠いボーカル(流石に丸くなった感は否めない)がふらふら彷徨うハビマン節全開な「Playground Superstar」を、OASISU.N.K.L.E.とコラボレーションした、これぞノエルのお家芸とも言うべき激メロウなバラードナンバー「Who Put The Weight Of The World On My Shoulders?」を収録。そのU.N.K.L.E.はというとSOUTHのボーカル、ジョエル・カドバリーをフィーチャーした「Leap Of Faith」を制作するなど、これでもかというマンチェ勢合体の嵐。こんな豪華なスワッピング、欲情するなと言う方がどうかしています。その他にもKASABIANZERO7THE BEESなどUKロックファンにも、ここからUKロックに触れるサッカーファンにも対応した美味しいセレクト。
スポーツにはどうしても興味が持てず、野球のどこのチームが優勝しただとか、ワールド・カップにはどこの国が出場するのかとか、ジャンルを問わずその方面の情報にはとんと疎いが、そんな僕でもサッカーとロックの共通点というのは、なんとなく漠然とぼんやりと見えたり見えなかったり。門外漢の畑違いの筋違い、はたまたお門違いと言われてしまうかも知れないが、素人意見なりに考えを述べさせてもらうと、恐らく両者に共通するのは、プレイヤーと観客が一緒にライヴや試合を作っていくことではないだろうか。ロックはアーティストがステージの上で演奏し、皆と空間と感動を分かち合って明日を生きるための何かを勝ち取る。サッカーは、試合の相手と戦い、サポーター(という言い方で良いんですよね)が会場から応援することでプレイヤーと一体化する。フィールドは違えど、「一体化して何かを勝ち取る」という基本理念は共通していると思う。試合もライヴも筋書きのないドラマであることには変わりなく、一瞬の興奮と感動に酔いしれることが出来るからこそ、人間は明日を生きていけるのだろう。その熱が僕たちを動かし続けるのだ。大切なのは、自分の中で熱を殺さないこと。それを信じ続ける限り、ロックも人間も死ない。世界と自分を殺すのは、他でもない自分自身だと言うことを忘れちゃいけない。見方や方向を変えればそれだけで何だって楽しくなるものなんだ。誰にだって、プレミア・ライフはすぐ傍にあるのだから。