unlimited (1979-1983) / Maximum Joy

待ちに待ったCD化!

Unlimited 1979-1983
THE POP GROUPの解散後に結成された分派バンド、Maximum Joy。イギリスの中でも、独自の音楽性が育っていることで知られるブリストルから、ファンク、レゲエ、ソウル、ジャズをベースにしたポスト・パンクサウンドで当時のニューウェーブシーンを大いに湧かせただけでなく、後のブリストルシーンにも多大な影響を与えたものの、現在彼らの音源は廃盤扱いになっており、入手は非常に困難に。僕自身もこのバンドの存在を知人から聴いたときは非常に興味を示したが、やはり肝心の音源が手に入らず。いつかは聴けるのだろうかと、漠然と想像だけを膨ませていたのだが、この度めでたくシングルコンピレーションが発売されるという話を聞いて思わず小躍りしてしまった。長年待ちわびていた初恋の人と出会う感覚。いや、違うな。足長おじさんと対面する心境と例えたらいいのだろうか(と言っても僕も足長おじさんに出会ったことはないのだが)。
ドキドキワクワクしながらプレイボタンを押すと同時に流れ出した音楽は、想像していたものとは少し印象が違ったけれど、ファンキーでダビーなサウンドは2005年に聴いても古くささを感じさせない、現役バリバリなダンス衝動に満ちあふれていた。僕が音楽に目覚めたのは90年代に入ってからで、80年代のキラキラ光るディスコカルチャーはリアルタイムで経験していないのだが、それでもこういった色褪せないダンス・ミュージックがヘッドフォンからダイレクトに流れ込んでくると、当時の熱気をしっかりと肌で感じることが出来る。優れたダンス・ミュージックとは、メロディやビートだけではなく、フロアの熱気も含めて記憶されるものではないのだろうか。この時代の僕は1歳から5歳と非常に幼かったが、当時彼らの音楽に触れていても僕はきっと踊っていただろう。22年遅れた出会いだけれど、それでも僕は彼らの音との出会いに幸福を感じる。